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ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
グループ:DVD
ランキング:5823
価格:¥ 3,162
発売日:2008-08-20
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レビュー(Amazon.co.jp)
6年ぶりの映画出演で、アカデミー賞主演男優賞をあっさりと受賞したことから察するとおり、ダニエル・デイ=ルイスのハイテンション演技に最後の最後まで引き込まれる力作。彼が演じるのは、役名も同じダニエルで、油田を掘り当てることに夢中になり、富と権力を得ながらも破滅的な人生を送ってしまう男だ。俳優ならば誰もが演じてみたいであろう強烈な役どころ。人間とは思えない残酷さ、卑劣さをちらつかせながら、何かにとりつかれたような欲望と狂気で、2時間38分、緊張感を途切れさせないのは、やはりデイ=ルイスの名演あってこそだろう。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の冴えわたる演出は、石油が噴出するシーンで一目瞭然。天に向かって上がる黒い液体とともに、燃える炎、そこに向かって走るダニエルに、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる重低音の音楽も相まって、映画的興奮をかき立てる。デイ=ルイスに負けない存在感を発揮するのが、主人公に対し、つねに反発するカリスマ的な宗教家イーライを演じたポール・ダノ(その兄も含めて2役)。人々を扇動する演説ぶりには鬼気迫るものがあり、ダニエルとイーライが長年の落とし前をつけるラストは、稀にみる衝撃度だ。(斉藤博昭)
カスタマーレビュー ![]()
鬼気迫る稀有な傑作。しかし難解でもある。
(2009-01-04)
ダニエル・デイ=ルイスとポール・トーマス・アンダーソン監督
の作品である。いやがおうにも期待する。
正直、公開時前評判が高く、事前にストーリー概要を
知っていたから理解できたものの、説明を排したプロット展開や
構成、人間関係は、やや難解である。ダニエルを駆り立てる情念も
理解するのは難儀である。ある種の「読み込み」が必要な傑作といえる。
特に、主人公ダニエルと牧師の生涯にわたる確執は、説明を
一切挿入しない構成をとっているため、理解が難しい。
そして、成功したダニエルから一揆に時間が飛んでのラスト。
この確執の終焉も難解である。
演技と音楽については、ここでレビューを重ねる必要はない。
ダニエル・デイ=ルイスは完璧である。油田爆発シーケンスは
息が止まるくらい観客が見入ること間違いなし。
音楽とカメラワーク、ダニエルの迫力と演出の巧みは、神業と言っていい。
人間ダニエル
(2008-12-29)
血塗られた歴史、という言葉があるが、
ここに描かれているのもまさにそのような歴史だ。
まぁこれが凄みのある映画。
最後のダニエルは狂人そのものだが、
はっきり言って周りのほうの連中のほうが何でもアリ、
信仰や子供との関係にまでずかずか立ち入ってきたり、つまるところ、デリカシーが皆無だ。
一人の男の成り上がりと凋落、ということじゃなくて、
やっぱりひとつの時代、
強迫観念の蔓延を描いた作品なのだと思う。
Obsession.
(で、『チャンピオンたちの朝食』を思い出す。)
少女メアリーとH.W.の表情の率直に救われる。
しかしダニエルがすごい。
今ここにいる俺が、俺の総てだ、
息子を事業と秤にかけ、
そのくせいい父親を気取って救われた気になっていた、
その俺が俺の総てだ―とでも言わんばかりの迫力。
There will be blood ―
血は付き物だ、ありふれたものだ―
何でもアリの男のようだがどうしてどうして。
息子への愛は本物だ。
彼は罪びとだが、オイル・宗教の両集団ヒステリーのなかで、
果たしてモラルが通用するのだろうか、とも思う。
彼なりに人間的な反応だったんだよ、と思うのだ。
(『母なる夜』のキャンベル的なアンチヒーローだと思う。)
オイリオ
(2008-12-13)
大地に眠る油田を堀り当て、噴出させるという行為。それはそのまま自らの欲望を掘り当てた興奮と重なる。一度掘り当ててしまえば、石油はその深く暗い穴から、際限なく、際限なく湧き出で(いるように見え)、運ばれ、燃え上がり消費され続ける。その営みというか魔性に、人は気付けば呑み込まれてしまう。
この映画で対立項として描かれる「石油」と「カルト宗教」というキーワードは、今なおアメリカ社会を牛耳る絶大なるパワー。そして、互いが互いを憎み合うのは、同じ人々を「食い物」にして巨大化したからだ。
超一流の監督、超一流の演出に超一流の批評軸。ラストはキューブリックと見紛うような空間造形だったし、現代音楽的アプローチをとった(ってもいつもソロだとこんな感じだけど)ジョニーの音楽も聴く人によっては素晴らしいんだろう。無論「スーパーメソッド俳優」ダニエル・デイ=ルイスの演技に文句なんてつけようがない。でも個人的にはどこかすれ違ったまま3時間過ごしてしまった感が否めない。何だか自分が残念な奴に思えてくるぐらいに。
求めていた物語、脚本と違っていた、いや、他の要素に比べて脚本が際立って不親切、ということなのかもしれない。近視眼的にダニエルに寄り添ったゆえにぼやけてしまった部分、そこが気になったのかもしれない。
そして、「強欲な男の成功と破滅の物語」とか言うけど、個人的にはダニエルがそこまで破滅的な人間に見えなかったこと。それはダニエルが頑固過ぎるくらい揺らぐことがなかったから。カルト教祖に恥をかかされようが、近づいてきた男に騙されようが、人を信じられなくなろうが息子に去られようが、彼は常に同じ思考の下、同じ行動をとる。ただ、それだけだ。
稀に見る精神的高揚感
(2008-12-10)
「マグノリア」での全速力で突っ走ったような疾走感、そして今作のダニエル・デイ・ルイスのハイテンションの演技。
それらをまとめあげたPTA監督にただただ脱帽。
「マグノリア」ののち、これほどの作品を作り上げるとは、正直思ってもいませんでした。
願わくば、マーティン・スコセッシのように、高齢になってから論功行賞みたいな感じでアカデミー監督賞なんて受賞などしてもらいたくないですね。
とにかく、個人的にはPTA作品では一番好きです。
神とは何かと問いかけ、事業に成功したのに人を憎み続ける男を描く
(2008-11-14)
油田を掘り当て一攫千金を手にしたダニエル。頑固で人の悪い部分しか見ることのできずそして神を信じない男。息子が事故で聴力を無くすことで彼の魔の部分が顕著化していく。息子を愛することができなくなっていき、油田のある土地の権利者との抗争、教会で教示を説く青年イーライとの金のやり取りなど彼を苦しめるものが次々と現れてくる。
息子を愛せず金に取りつかれ、自分を邪魔する者をひたすら憎み続けるダニエルに恐ろしさを感じます。油田を掘り当ててもそれをお金に換えるためには人の助けがいるのは明白なのになぜそこまで人を憎んでしまうのか。一方土地の権利を主張し金をせびる聖職者イーライの行動にも疑問を感じてしまいます。聖職者で人々の信頼も得ているのに教会を存続させるためにはお金がいる。資本主義の現代と神に救いを求める彼との間で神とは何かと問いかけています。
そして最後にダニエル・デイ=ルイスという俳優。2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』以来の仕事なのに恐ろしいまでにリアルで完成された演技。第80回アカデミー賞主演男優賞受賞に否定するところは何も無いと思いました。

